「ads.txt」設置メディアが前月比+60%に

IAB Tech Lab が提唱している、オンライン広告取引の透明性、信頼性の向上を目的とした「ads.txt」の導入状況について、日本国内のメディアに絞って調査を実施しました。

9月の調査結果はこちら

Googleが、AdSenseにおいて、「ads.txt」に、Googleにおける Publisher ID が誤って記載されていた場合に、警告を出す対応が開始され、ブログシステムにおいて自動的に設置されたAds.txtへの警告が多発するという問題が発生し、一時的な話題となりました。

また、KDDI系列の広告配信事業を行うSupership株式会社も「ads.txt」への対応を順次開始することを発表するなど、日本国内においてもAds.txt対応が本格化しています。


無料チェックツールでの確認

「Ads.txt」を弊社の DataSign FE Ads.txtチェッカー で確認した結果、以下のような誤った設置や記述が多く確認されました。

  • ・ネイキッドドメインに設置されていない
  • ・広告システムドメインが誤っている
  • ・TAG ID が誤っている

誤った状態のAds.txtは広告収益に悪影響を及ぼす可能性があるため、お早目にご自身のAds.txtをご確認ください。


調査結果サマリー

  ・ads.txt は990ドメイン中、148ドメインで設置されており、前月の結果から60.9%増加
  ・広告システムの平均指定数は 18.6個 となり、前回の 5.7個 から大幅に増加
  ・指定されている広告システム第一位が「OpenX」となる(前月は「Google」)


「ads.txt」 とは

 IAB Tech Lab ( https://iabtechlab.com/ ) が 2017年5月に発表した、オンラインメディア(広告掲載媒体)が広告枠をどこの広告システムを経由して販売しているかを明示的に示すための決め事です。ads は AUTHORIZED DIGITAL SELLERS の略。

具体的には、オンラインメディアが、ads.txt というファイルを作成して、自身のウェブサイトのルート直下に配置することで、DSP(広告配信事業者)がその情報を参照できるようにします。

例えば、http://datasign-news.com/ads.txt に

 google.com, pub-XXXXX, DIRECT, f08c47fec0942fa0 

という内容を記載しておくことで、Google経由で広告枠を販売していることをオンラインメディア自身が示し、その情報を受け取ったDSPは、datasign-news.comに広告を配信する場合は、Google経由の広告掲載依頼の場合のみ、広告を配信する、といった制御を行うことにより、広告枠を偽装するアドフラウド(広告詐欺)の被害を減らすことができます。

Ads.txtの詳細な仕様についてはIAB Tech Lab が公表している仕様書をご確認ください。https://iabtechlab.com/ads-txt/

また、ads.txtによりオンライン広告の透明性が高まり、オンラインメディアを正当に評価できるようになるとともに、広告主も安心して広告掲載ができるようになることを想定しています。



レポート作成の背景

 デジタル・マーケティングにおいて、パーソナルデータ活用により企業活動を促進すべく様々なウェブサービスが世界中で提供されています。これらウェブサービスは、Google社が提供するGoogleアナリティクス(上場企業3,558社において約83%の導入率 )に代表されるように、日常的にパーソナルデータを収集し活用されています。
 これらパーソナルデータ活用の透明性という観点では、経済産業省のガイドラインや、一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会のガイドラインなどにおいて、企業がデータ活用の実態について消費者(利用者)に対してわかり易く説明されたコンテンツを提供する際の基準が紹介されています。また、欧州で施行されるEU一般データ保護規則では、Cookieなどに保存されるオンライン識別子は取得公表義務のある個人データであると明確に定義されており、今後欧州とのビジネスにおいて法令に遵守する上でデータ活用の実態を把握する必要性が高まっています。
 しかしながら、その実態(仕組み・データの流れ・PiggyBack等による第三者とのデータ共有)といったことはあまり知られていないというのが課題でもあります。
 


オンラインプライバシーの取り組みを改善したい

 DataSignは、企業や消費者が安心してデータを管理・活用できる世界の実現を目指し2016年に設立されました。
 パーソナルデータを活用していく上で、前述のようなガイドラインを遵守したとしても「第三者へのデータ送信の実態」をリアルタイムに特定し、それらの「オプトアウト手段の提供」といった運用をし続けるのは、相応の労力を要しますので、企業にとってはあまり望ましいことではありません。
 第一弾のプロダクトである、オンラインプライバシーの適切な運用をサポートするためのサービスを開発・提供する過程において、様々なウェブサービスがどのようにデータを収集し、オプトアウト等の仕組みを提供しているのかを独自調査しています。この独自調査による収集データに基づき、ウェブサービスにおけるパーソナルデータ活用の実態把握と、オンラインプライバシー運用への取り組みが改善されることを目的として本レポートを作成致しました。
 DataSignではウェブサービス利用実態調査を定期的に公表し、今後も様々な切り口からDataSign Reportを公表してまいります。