毎週木曜日に配信している「データサイン・ランチタイムトーク」の模様をレポートします。当記事で取り上げるのは以下の配信です。
- 配信日:2023年7月20日
- タイトル:外部送信規律では伝わらない理由と伝える方法
- メインスピーカー:データサイン ビジネスディベロッパー 宮崎洋史、代表取締役社長 太田祐一
- MC:ビジネスディベロッパー 宮崎洋史
一般人には理解しづらい外部送信規律
2023年7月14日に一橋講堂(東京都千代田区)で開催されたMyData Japan2023。セッションの1つにデータサインのビジネスディベロッパー 宮崎洋史が登壇した「商談100件経験者が語る”外部送信規律”が伝わらない理由と、伝える方法」がプログラムされました。本セッションの論点をランチタイムトークで振り返りました。
2023年6月に施行された電気通信事業法の一部を改正する法律(改正電気通信事業法)では、ウェブサイトを運営する企業などに外部送信規律への対応が義務付けられることになりました。
「外部送信規律への対応に最適なソリューションとしてデータサインが提供するwebtru(ウェブトルゥー)があります。その商談でよく耳にするのが『そもそもこの規律に対する組織内の理解がなかなか得られない』というご担当者の方のお悩みです」(宮崎)
どうすれば伝わるの?
なぜ規律(規制)の内容が伝わりにくいのでしょうか。
「理由の1つとして、外部送信規律に用いられる概念やことばがなじみにくく、ITの専門家などでなければ、一般には具体的にイメージしにくいことが挙げられます」(宮崎)
よく見聞きする誤解としては次のようなものがあります。
- 『外部』とは(自社から見て直接の取引相手となる)サードパーティーのことだよね
- 『送信』者はサイト運営者でしょ
- 『送信』しているのはCookie(だけ)だよね
- 『規律』なのだから外部送信は、一切禁止のはず
どのようにすれば、職場のなかで理解してもらいやすくなるでしょうか。宮崎が挙げるポイントは3つあります。
- 図解でわかりやすく説明する
- ブラウザのデベロッパーツールで何を送信しているかを具体的に見せる
- 行政機関などの公式ページの説明を引用する
です。
文言だけの説明による「空中戦」が混乱のもと
図解では、外部送信の流れを可視化するのが得策です。具体的には、プレゼンソフトのスライドやアニメーション機能などを用いて紙芝居風のコマ送りで説明するやり方がおすすめです。
「ブラウザとサーバー間におけるデータの流れや、外部送信規律に関わる登場人物の位置づけなど、外部送信においてやりとりされるリクエスト&レスポンスを順にステップ・バイ・ステップで追えるとわかりやすいでしょう。外部送信を行っているのはブラウザで、サイト運営者はブラウザに外部送信の指令を出す役割です。さらに自社サイトに埋め込んだスクリプトからリンクする先のアドテク事業者の情報システムなどに数珠つなぎに連携する(自社では意識しにくい)関連事業者の情報システムの存在を可視化することと納得感が増します」(宮崎)
次にデベロッパー(Dev)ツールとは、ブラウザの機能として提供されている解析用のツールです(ChromeやEdgeなどのブラウザでF12ボタンを押すと表示されます)。こちらを表示すると、ブラウザから送信されているのはCookie情報だけでなく、閲覧しているコンピュータに関するさまざまな情報(組み合わせることでプライバシーリスクが高まる情報など)が含まれていることがわかります。
三番目のコツが「公式サイトを見せる」です。「説明の裏付けとして『〇〇さんが言っていたので・・・』などといった根拠では腹落ちされない方も多いのでは。総務省の資料といった、外部送信規律に関する国や行政機関など公の情報に基づくことをプラスすれば説得力が増すでしょう。規律といっても外部送信は、適切に情報を通知・公表すればなんら問題なく実施できます」(宮崎)
さて今回ご紹介した3つのステップ。法対応の推進において中心的役割を果たすご担当者の方におすすめします。また、こうした問題を解決するのに役立つデータサインのプライバシーテック・スイートwebtruについて気になる方はお気軽にデータサインにお尋ねください。