Microsoft Edge の 3rd Party Cookie 終焉への対応

Microsoft Edge の 3rd Party Cookie 終焉への対応

2024年6月13日

毎週木曜日に配信している「データサイン・ランチタイムトーク」の模様をレポートします。当記事で取り上げるのは以下の配信です。

配信日:2024年3月21日

  • タイトル:Microsoft Edge の 3rd Party Cookie 終焉への対応
  • メインスピーカー:データサイン 代表取締役社長 太田祐一
  • MC:ビジネスディベロッパー 宮崎洋史

プライバシーに配慮した代替手段を提案

この日のランチタイムトークでは、マイクロソフトが提供するブラウザ「Edge」のサードパーティーCookie廃止対応を巡る話題を取り上げました。サードパーティーCookieはユーザーに適した広告表示などに用いられ利便性が高い半面、自分のどのデータが何のために使用されたか、誰と共有されたかユーザーにわかりにくいというプライバシーリスクを抱えており、廃止の方向に向かっています。

2024年3月5日付のWindows開発者向けブログにはその代替手段となる、プライバシーに配慮した新しい仕組みの概要と導入スケジュールなどが記されていました。

スケジュールについては今後数カ月で無償のEdgeユーザーのうち1%未満を対象に、サードパーティーCookieを無効化します(法人アカウントのブラウザは対象外)。2024年中は、切り替えに伴う影響評価や改善作業が継続する予定です。

Edgeの「Ad Selection API」って何?

前掲Windows開発者向けブログでは、プライバシーに配慮した仕組みの具体例として「Ad Selection API」が紹介されています。

それによるとAd Selection APIは、クロスサイト・トラッキング識別子に依存することなく、ユーザーに関連する広告を表示できるようにするブラウザ・プラットフォームの機能ということです。

「Ad Selection APIによりユーザーが自分データを完全に管理しながら、適切な広告をユーザーに表示することが可能であるといったメリットが挙げられています」(データサイン 代表取締役社長 太田祐一)

堅牢なプライバシー保護のために各種テクノロジーが用いられています。k-匿名制約や差分プライバシーの使用、第三者がアクセスできない安全な環境で広告表示に必要な計算処理を高速実行するTEE(Trusted Execution Environments)の採用などです。

Ad Selection APIは、W3Cのコミュニティグループの1つ、WICG(Web Incubator Community Group)によって標準化の検討が進められています。

プライバシーサンドボックス陣営にライバル意識?

EdgeのAd Selection APIは、先行するプライバシーサンドボックスのProtected Audience APIとの互換性を保つことが前出のブログで触れられています。プライバシーサンドボックスは、W3Cで標準化が進められるサードパーティーCookieの代替手段であり、主にグーグルが提案する内容で検討されています。

そのプライバシーサンドボックスの1機能である、Protected Audience APIはサードパーティーCookieに基づくリターゲティング広告を代替するもので、公開実証テスト(オリジントライアル)ではFLEDGEという名称で開発が進められていました(2020年9月下旬のプロジェクトではTURTLE DOVEという名称でした)。

もともとプライバシーサンドボックスはChromium(クロミウム)という、ブラウザのレンダリングエンジンを対象に開発されていました。そしてグーグルのChromeも、マイクロソフトのEdgeもChromiumベースのブラウザです。

ただ、プライバシーサンドボックスのProtected Audience APIと、Edgeで提案されWICGで標準化が進められているAd Selection APIの仕組みにはやや差異があるようです。

ChromeとEdgeのシェアは、StatCounterによると2024年2月時点で、モバイルとデスクトップを合わせた全体ではそれぞれ約55%、約13%、デスクトップでは約66%、約21%でした。

「いずれもChromeのシェアが圧倒的に高い状況下で後発のEdgeは、Ad Selection APIについてはプライバシーサンドボックスのProtected Audience APIよりも、ユーザーのプライバシー保護などを重視していると開発者ブログなどで強調しています。両社の間で優位性を競うライバル意識のようなものを感じました」(太田)

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