毎週木曜日に配信している「データサイン・ランチタイムトーク」の模様をレポートします。

当記事で取り上げるのは以下の配信です。

  • 配信日:2022年6月2日
  • タイトル:Meta社プライバシーポリシー
  • 発表者:データサイン 代表取締役社長 太田祐一

メタがプライバシーポリシーを全面的に改訂

Meta社(旧フェイスブック。以下、メタ)がプライバシーポリシーをリニューアルしました。適用開始は2022年7月26日から。その中で気になる点をデータサイン 代表取締役社長 太田祐一が話題に取り上げました。

「新旧のデータを見比べてみましたが大幅な変更が加えられていました。情報量は増加していますが、全体的におおむねわかりやすい説明や見せ方になっていると思います」(太田)

同社が取得する情報と、利用者の情報の使用方法について2分間弱の動画が、英語版のみですが、プライバシーポリシーのページに用意されています。

「動画では、ユーザーのメールアドレスを用いたターゲティングを実施していること、アクティビティに関する情報をユーザー自らコントロールできることなどが説明されています」(太田)

「いいね!」ボタンの扱いはどうなっている?

太田が注目した項目の1つが、メタが取得する情報(「弊社が取得する情報」)です。

この項目は

  • 利用者のアクティビティや利用者自身が提供する情報
  • 友達、フォロワーなどのつながり
  • アプリ、ブラウザーおよびデバイスに関する情報
  • パートナー、ベンダー、第三者からの情報

という4項目に整理されています。

「パートナー」というのは、メタにとっての広告主、そしてパブリッシャー(ウェブサイトやアプリなど)やそのビジネスパートナーを指します。

「表記の仕方は基本的に、本文1ページ目にポイントを簡潔にまとめ、詳細情報はリンク先に記す、という2層レイヤー構造(ダブル・レイヤード・ノーティス)になっています。これは長々とした説明を本文に書き並べるより読み手にとってわかりやすく、改訂後の書き方には配慮が見受けられます」(太田)。

一方、プライバシーポリシーにはFacebookの「いいね!」ボタンの扱いはどう記されているのでしょうか。

「残念ながら明確な説明がきちんとなされていないようです。『いいね!』ボタンを設置しているサイトの運営者には、自社はどのような位置付けで、どのようにプライバシーへの配慮をすべきか気がかりだという方が多いはずです。メタには分かりやすい説明の明示を望みます」(太田)

ほかにも気になる点をチェック

プライバシーポリシーの1ページ目には、「弊社は、利用者が自らの判断で共有した特別保護対象の情報を含め、保有している情報を、弊社製品の提供と向上のために使用します」とあります。

また、前述した「弊社が取得する情報」の1つ、「パートナー、ベンダー、第三者からの情報」には「パートナーは、利用者のメールアドレス、Cookie、広告デバイスIDなどの情報も弊社と共有します」という一文があります。

「要するに、メタはユーザーのメールアドレスなどを使いますよ、ということです。一方、パートナーに対しては、パートナー側にアップロードしたメールアドレスはメタのビジネスには使わない、という説明をしているようです。ユーザーのメールアドレスなどをメタが使用するのかしないのか、(現時点では)確認しているところです」(太田)

この日のランチタイムトークではほかにも「Facebook外のアクティビティ」などの項目もチェックしました。皆さんも自社のプライバシーポリシー整備の参考にされてみてください。