毎週木曜日に配信している「データサイン・ランチタイムトーク」の模様をレポートします。当記事で取り上げるのは以下の配信です。

  • 配信日:2022年12月8日
  • タイトル:改正電気通信事業法総務省令パブコメ結果
  • 発表者:データサイン 代表取締役社長 太田祐一

総務省令案のパブコメ結果

2022年11月25日に改正電気通信事業法の総務省令案のパブコメ結果が、翌月12月2日に、外部送信規律に関連するガイドライン解説案の更新版が、相次いで公表されました。外部送信に関する内容で気になった点を、データサイン 代表取締役社長 太田祐一が話題に取り上げました。

まずパブコメ結果ですが、案件の正式名称は「電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令案等」に対する意見募集の結果及び情報通信行政・郵政行政審議会からの答申というものです。

別紙3「3. 外部送信関係」の「3.1 利用者の利益に及ぼす影響が少なくない電気通信役務(施行規則案第 22 条の2の 27 関係)」意見3-1-3に対する回答をみると、外部送信規律に関する対象者がかなり明確になってきました

[意見3-1-3]

電気通信事業法施行規則第二十二条の二の二十七において、具体的に以下にあげる各サービスは同条各号のいずれかに該当する又は該当する可能性があるという理解で正しいでしょうか。

1) 宿泊施設・レストラン等の複数の事業者を横断的に網羅した予約サービス

2) 就職・転職・アルバイト等の情報提供サービス(利用者が登録した情報を応募先へ送 信する機能を含む)

3) 住宅情報(賃貸・売買物件)や、中古車情報、保険商品等の販売 先の事業者を横断的に検索できるサービス

4) 個人間でのチャット機能があるオンラインゲーム、オンライン教育等のコンテンツサービス

「こちらに対する回答は、『御指摘の各サービスは、いずれも該当するものと考えますが、今後、 ガイドライン等において明確化してまいります』というものでした。法規制への対応が求められるサービスのイメージがかなり具体的になってきたかなと思います」(太田)

「不特定の利用者」というのは誰のこと?

前出・総務省令のパブコメ結果の別紙3「3. 外部送信関係」には、ほかにも論点が明確になってきたところがありました

たとえば、電気通信事業者第2号、第4号の「不特定の利用者の求めに応じて」、4号の「不特定の利用者による」にいう「不特定」とは何を意味するのか尋ねる意見がありました。回答では、検索サービスやSNSなどのログイン型のサービスについては、その登録が画一的・形式的なフォームへの入力等をもってなされているものであれば、利用者がログインしている場合も、「不特定の利用者」に該当すると考えられることが指摘されています。

「逆に、特定の利用者というのは、社内システムのように誰でも利用できないシステムなどが考えられます」(太田)

また、外部送信に関する通知又は容易に知り得る状態に置くことに関しては、「情報送信指令通信を行う者」が第三者ではなく、自らに送信する場合も対象になり得ること、そして、利用目的(の明確化)については、利用者に関する情報の送信元及び送信先(において実施)となること、などが挙げられています。

一方、ガイドラインの解説案では

次に、2022年12月2日に公表された「外部送信規律に係る電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説案について」。こちらも気になる点がありました。

「外部送信を行うことが『真に必要な情報』とは何か、その該当性がより明確に記されていました。また、外部送信関する利用者への通知・公表は、同意取得やオプトアウトなどの手段に関わらず必要になることが明記されました」(太田)

では、送信元では、個々の情報の送信先について、その目的、送信先の名称、送信先における情報の利用目的等をどのように記載するのが良いでしょうか。一例が、一般社団法人MyDataJapanが総務省のワーキンググループで提案した記載方法があります。弊社ブログ記事、「改正電気通信事業法とは?外部送信規律のポイント解説」の「具体的にはどんな内容を記載すれば良い?」の項目に記しています。ご参考にしてみてください。