2021年7月、CPO(Chief Product Officer)の坂本一仁が情報処理学会セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究発表会において、アプリのトラッキング許可のダークパターン調査研究について発表しました。
ダークパターンは事業者の利益を優先させるようにユーザを意図的に誘導する手法で、ECサイトやCookie同意バナー等でこれまでも頻繁に利用されており、一部の法律やガイドラインではダークパターンの使用が禁止されています。
Apple社はiOS14からアプリトラッキング透明性をローンチし、その一環として広告識別子であるIDFAの利用をユーザのオプトイン形式に変更しました。
これまでのダークパターン利用の傾向から、「オプトインの許諾画面」にダークパターンが利用される可能性が高く、DataSignではIDFA許可画面まわりのダークパターン利用に対して早期の調査研究を実施しました。
研究の結果から
- 日本向け無料のiOSアプリ100のうち、IDFA利用は35アプリ
- 35アプリのうち、少なくとも1つ以上のダークパターンがあると判定されたものは31アプリ(88.6%)
- 追加の説明画面を用意している16アプリのうち8アプリはApple社のガイドライン違反の可能性
という主要な発見がありました。
この研究の追加調査として日本経済新聞社と共同でIDFA許可画面がある主要50アプリについて調査しました。
DataSignでは今後も公正な立場から、だれもが安心してパーソナルデータを活用できる世界の実現を目指し、活動を続けていきます。
論文情報
アプリのトラッキング許可に対するダークパターン調査
坂本 一仁
第94回コンピュータセキュリティ・第43回セキュリティ心理学とトラスト合同研究発表会
2021年7月19-20日(オンライン開催)
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